善友ZENYU
タバコ、お酒、SNS、夜更かし。何を絶つかは自分で決めます。ただし連続日数のカウンターは付いていません。付けないことが、このアプリの設計そのものです。
連続日数
0日
滑るたび、0に戻ります
できた日の合計
0日
滑っても、減りません
Web版 公開中 — Android版は開発中
Your own target
こちらから対象を指定しません。名前を書けば、それが対象になります。
いくつでも登録できますが、最初は一つだけにすることを勧めます。同時に複数を絶とうとすると、片方が崩れたときにもう片方も一緒に崩れます。理由は次の節に書きました。
Start now
名前を書けば、今日から数え始めます。毎日の記録は要りません。滑った日だけ、書いてください。
記録は、この端末の中だけに残ります。外へは出ません。
The counter
一度やってしまったあと、次の日も、その次の日も崩れる。あれは意志が弱いからではなく、数字の作りのせいでもあります。
この手のアプリの多くは連続日数を表示します。27日目に一度やってしまうと、翌朝それは 0 になる。27日ぶんの行動は消えていないのに、画面の上では消えます。
依存行動の研究では、この「一度の逸脱を、全部の失敗として受け取ってしまう」反応に名前が付いています。禁欲違反効果(abstinence violation effect)といって、マーラットとゴードンが1985年に再発予防の枠組みの中で記述したものです。禁煙や断酒の研究で繰り返し観察されてきました。一度の逸脱そのものより、そのあとに来る「もう台無しだ」という解釈のほうが、崩れ方を決める。
0に戻るカウンターは、その解釈を毎朝、数字の形で押し付けてきます。一度の滑りを、台無しに翻訳する装置になっている。
連続日数カウンター
—日
積み上げ(できた日の合計)
—日
5回
同じ行動です。同じ90日です。片方は「あなたは何度も失敗した」と言い、もう片方は「あなたはこれだけやった」と言う。どちらも嘘ではありません。だとしたら、毎朝どちらを見せるかは設計の選択です。
What it records
数を競わせないために、記録するものを絞りました。
積
連続ではなく通算です。滑っても減りません。90日のうち83日できたなら、それは83日です。7回やってしまった事実はどこにも消えませんが、83という数字を取り上げる理由にはなりません。
因
時刻、場所、直前の気分、寝た時間。滑った日にこれだけ聞きます。責める言葉は一言も出しません。
三度も書けば、自分のパターンが自分で見えます。臨床で使われる引き金の洗い出しと同じやり方で、意志の話をせずに手を打てる場所を探すためのものです。夜中に一人で暇なときのように、条件が分かれば環境のほうを変えられます。
代
やめるだけだと空白が残り、空白は元の行動に埋め戻されます。だから「やらなかった」ではなく「代わりにこれをした」を記録します。
これは思いつきではなく、習慣逆転法という手法の中心にある考え方です。アズリンとナンが1973年に、癖や反復行動に対して「代わりに行う両立しない動作」を置く方法を報告しています。歩く、水を飲む、その場を離れる。何でもかまいません。
When the urge comes
滑るかどうかを決める前に、もう一つやれることがあります。衝動そのものは消せませんが、それが行動に変わるまでの数十秒には、割り込む余地があります。
依存行動の研究では、衝動を力ずくで抑え込もうとするより、ただ観察して波が引くのを待つやり方のほうが崩れにくいことが知られています。「衝動サーフィン(urge surfing)」と呼ばれる考え方で、マーラットが再発予防の枠組みの中で提案し、後にマインドフルネスを組み込んだ再発予防プログラム(MBRP)として手法化されました。抵抗せず、良し悪しも判断せず、衝動という感覚が強まり、そしてやがて弱まっていくのを、波に乗るように眺めます。
効果はまだ一様ではありません。物質使用や依存行動を対象にしたランダム化比較試験17件を統合した系統的レビューでは、マインドフルネスを使った介入は衝動の強さを中程度〜大きく下げましたが、研究間のばらつきが大きく、証拠の質は高くないと結論づけられています。禁煙アプリを使ったランダム化比較試験では、これだけで禁煙率が上がるとは示されませんでしたが、衝動の強さと実際に吸ってしまう行動との結びつきを弱める効果は見られました。「衝動を消す」道具ではなく、「衝動が来た数十秒に間に合わせる」道具だと考えるのが、いまのところ正確です。
いま、この場で試せます。記録も送信も一切しません。
楽な姿勢で、静かに座る。
1:30
これは治療ではなく、注意を数十秒逃がすための道具です。強い衝動が繰り返し生活を脅かしているなら、下にある相談窓口を先に見てください。
The one friend
ランキングも、掲示板も、匿名の大人数も作りません。増やすほど効かなくなるからです。
見ている人が増えるほど、記録は嘘に近づきます。
このアプリが人数を1人に絞っている理由
行動を変える研究で、意志の強さより安定して効くものが一つあります。誰かに報告する相手がいることです。日記だけをつけていても続かないのに、相手が一人いるだけで続く。これは繰り返し確かめられています。
ところが人数が増えると壊れます。見ている人が多いほど、良く見せたくなる。良く見せたくなると、記録が嘘になる。嘘の記録は、何の役にも立ちません。数えるのをやめたのと同じ理由で、見せる相手も増やしません。
だから相手は一人だけです。滑った日は、その一人にだけ通知が行きます。相手にできることは、返信を一つ送ることだけで、点数を付ける機能も、励ます定型文もありません。
定型文を置かないのには理由があります。用意された言葉は、読まれていないことが伝わってしまう。「がんばれ」が自動で飛んでくるくらいなら、何も来ないほうがましです。
Honest limits
先に書いておきます。ここを読んでがっかりするなら、たぶん合いません。
やめたいのにやめられない状態が続き、仕事や人間関係、お金、健康に実害が出ているなら、それは意志の問題ではなく、相談できる領域の話です。アルコール、薬物、ギャンブル、ゲームには、それぞれ専門の相談窓口と治療があります。
お住まいの都道府県・政令市の精神保健福祉センターが、いずれの相談も無料で受け付けています。どこへ行けばいいか分からない段階でも大丈夫です。
こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 から、お住まいの地域の窓口につながります。
このアプリは、そうした相談の代わりにはなりません。並行して使うぶんには構いませんが、順番としては相談が先です。
Notify
Web版はすでに上のフォームで使えます。ここに登録するのは、Android版の配布を始めたときの通知だけです。それ以外では送りません。
解除はいつでもできます。お知らせを送るためだけに使い、第三者へ渡しません。 詳しくはプライバシーポリシーを。
Status
Web版は上のフォームで、いま実際に使えます。Android版はまだ配布しておらず、作るのは Flutter の予定です。記録は端末の中に置き、外へは出しません。「報告する相手」の通知機能は、Web版ではまだ動きません。
ホーム画面に置くと、アプリのように全画面で開けます。オフラインでも動きます。
下の共有ボタン(□に↑)を押して、「ホーム画面に追加」を選んでください。
「こういう機能が要る」「この数字は見たくない」といった話があれば、info@toriumis.com か、スタジオトリウミの感想欄へどうぞ。特に、実際に続けている人・続かなかった人の話が知りたいです。
出典
Marlatt, G. A., & Gordon, J. R. (1985). Relapse Prevention: Maintenance Strategies in the Treatment of Addictive Behaviors. Guilford Press. — 禁欲違反効果の記述。
Azrin, N. H., & Nunn, R. G. (1973). Habit reversal: A method of eliminating nervous habits and tics. Behaviour Research and Therapy, 11(4), 619–628. — 代わりに置く動作(拮抗反応)について。
Bowen, S., et al. (2009). Mindfulness-based relapse prevention for substance use disorders: a pilot efficacy trial. Substance Abuse, 30(4), 295–305. doi:10.1080/08897070903250084 — 衝動サーフィンを組み込んだMBRPの初期ランダム化比較試験。
Garrison, K. A., et al. (2020). Craving to Quit: A Randomized Controlled Trial of Smartphone App-Based Mindfulness Training for Smoking Cessation. Nicotine & Tobacco Research, 22(3), 324–331. doi:10.1093/ntr/nty126 — 禁煙率は変わらなかったが、衝動と喫煙の結びつきは弱まったという結果。
Demina, A., et al. (2023). Mindfulness interventions for craving reduction in substance use disorders and behavioral addictions: systematic review and meta-analysis of RCTs. BMC Neuroscience, 24, 55. doi:10.1186/s12868-023-00821-4 — 17件のRCTを統合。効果はあるが研究間のばらつきが大きく証拠の質は低いと明記。
Parisi, A., et al. (2022). Mindfulness-Oriented Recovery Enhancement for Addictive Behavior, Psychiatric Distress, and Chronic Pain: A Multilevel Meta-Analysis of RCTs. Mindfulness, 13(10), 2396–2412. doi:10.1007/s12671-022-01964-x — 8件のRCT(816名)を統合。中〜小程度の効果。